電気圧力鍋は本当は不便?│語られないデメリットを紹介

巷で人気の電気圧力鍋。近年の売れ行きは目を見張るものがあり、各メーカーから新商品が次々と販売されています。

ご友人のお宅に遊びにいった時なんかに、キッチンにキラキラと鎮座しているそのモダンなデザインを目の当たりにするとついつい欲しくなってしまいますよね。

電気圧力鍋のメリットである「手間要らず」や「料理が苦手な人でも簡単に」等々、利点を紹介する情報は溢れていますが、今回は逆に、電気圧力鍋のデメリットに焦点をあてたいと思います。

「意外と面倒くさい」「対して時短にならない」等々、買ってみないとわからない電気圧力鍋の裏側をみていきましょう。購入しようか迷っている方にとって参考になればと思います。

場所をとる

電気圧力鍋を実際にご覧になったことがある方は、ご存知の通り、電気圧力鍋は結構大きいです。コンパクトなものだと炊飯器と同じくらいですが、炊飯器よりも大きいものがほとんど。

広々と余裕のあるキッチンスペースをお持ちの方は問題ありませんが、一般的なキッチンの大きさですと電子レンジ、炊飯器、湯沸器、オーブン、コーヒーメーカー等々の家電を置いてしまうとスペースはすぐに埋まってしまいます

電気圧力鍋を置く為の条件として、

① 30cm×30cm程度のスペースを確保できる

②コンセントが届く

③蒸気がでるので上には何もない

の3つを満たさなければなりません。購入を検討する際には、まず初めに置き場所についてよく計画を練りましょう。

水加減・加圧加減が難しい

電気圧力鍋で美味しい料理をつくるには正しい水の量、加圧時間を設定することが重要です。商品によってはこれの他に加圧力の調整(2〜5段)も手動で行う必要があります。

「具材を入れてボタンを押すだけ」という謳い文句がありますが、最初の設定を間違えると完成まで修正・調整の変更はできません。火加減・加圧加減がうまくいかず、ベチャベチャになりすぎたり、思ったより火が通っておらず固いので結局フライパンや鍋にうつして火にかけて微調整。なんてことも。

専用のレシピ本に沿って作れば安心ですが、作りたい料理はいつもレシピ本と全く同じとは限りません。レシピ本には2人分しか載ってないけど4人分作りたい場合、レシピに載っている野菜ではなく、スーパーで安かった野菜を使った場合、水の他にお酒や牛乳を足して隠し味にしたい場合等々、火を使った料理の時には気にしてなかったことが電気圧力鍋だと正しい設定を毎回調べる必要がでてきます。

時間に余裕がなく手間を省くことを目的に購入した人なんかは、こういった調整のコツを掴むところまでいかず、「めんどうくさいのでレシピに載っている好みの1〜2品を作る専用の機械となっている」となってしまいます。これでは無理に買わなくてもいいような気がしてきます。

白米の味は好き嫌いが分かれる

「電気圧力鍋でつくるご飯はもちもちしていて凄く美味しい。炊飯器とは全然違う。」というユーザーの声はよく見かけます。しかし、これは好みの問題で、かためのご飯が好みの方はむしろ電気圧力鍋の柔らかいご飯は不味いと感じる場合があります。

電気圧力鍋で炊いた白米は、炊飯器に比べてもっちりします。これは、電気圧力鍋は炊飯器と比べて、急速に高温で加熱する為、白米中のでんぷんが糊化し、もち状の仕上がりになる「アルファ化現象」というでんぷんの特徴によるものです。

それをもちもちして美味しいと感じる人もいれば、べちょっとして不味いと感じる人もいます。

意外に時間がかかる

電気圧力鍋を使った料理は、簡単で早いというイメージがありますが、必ずしも早いとは言えません。

電気圧力鍋でつくる料理場合、レシピ本に記載されている加熱時間の約3倍の時間がかかります。

これはどういう事かというと、加熱調理時間のとは別に「加圧が始まるまでの余熱時間」と「煮込んだ後に圧力が抜けるまでの減圧時間」が必要なのです。

つまりレシピ本に「電気圧力鍋で10分圧力をかける」とかいてある場合、実際には

①余熱約10分②加圧調理10分③減圧約10分

合計30分程かかるということです。

結果的に鍋で調理する時間と大差無い為、電気圧力鍋で必ずしも時短になるとはいえないでしょう。鍋に比べて優れている点というと、調理が終わったあとほったらかしにしていても焦げたりする心配がないことです。その為むしろ時間に余裕がある方にとって重宝される場合が多いかもしれません。

予約調理はできないものが多い

「電気圧力鍋はボタンひとつで簡単に予約調理ができる」とイメージしていませんか?

これは間違いです。予約が可能なのは基本的に炊飯のみで、電気圧力鍋で作る料理の中心となる煮込み系のものは不可である場合がほとんどです。

肉や魚を使う煮物は、常温の鍋のなかで長時間放置すると食材が痛んでしまうため、予約調理ができません。

中にはタイマー機能があり、指定時間に調理を終えられるものもありますが、それらは予約をセットした段階で先に調理を済まして、保温の状態にして料理を保存しておき、指定された時間の前に再度加熱することで殺菌するという原理なのですが、これはできたての料理とはいえず、衛生面にかなり不安を感じます。

安全にたべれるご飯を予約できるのは炊飯器も同じなので、電気炊飯器のメリットとはいえないでしょう。

別に無くても困るものではない

電気圧力鍋は冷蔵庫や電子レンジなどの必需品ではなく、電気圧力鍋でできることはもともと備わっているガスコンロ又はIHクッキングヒーターを使えば全てできますので、いわば贅沢品といえます。

電気圧力鍋に限らず、生活の質を向上させたいというより、ほんとは新しい家電製品を買って家に並べておきたいだけの方は少なくないはずです。

家電量販店で眺めているときはいろんな料理に挑戦するイメージを膨らませていても、いざ買って家に帰ると、あれこれ使い方を調べながら料理するのが億劫で、慣れている普通の鍋の調理ですませてしまったりします。

今晩は〇〇が食べたいと思って、ネットでレシピを検索すると、普通の鍋でつくるレシピは沢山ありますが、電気圧力鍋でつくるレシピの数はまだまだ多くありません。レシピをなんとか見つけても、レシピに載っている機種の仕様(圧力数値)が、ご自身の持っている機種の仕様と異なる場合、加圧時間の調整が必要となります。

まとめ

以上のように、電気圧力鍋は一台あればすぐさま「簡単に、早く、おいしくが手に入る魔法の製品ではない」ことがわかって頂けたかと思います。色々と調べながら、トライアンドエラーを根気よく続けて、電気圧力鍋を使いこなせることができた時に初めて、簡単、早く、おいしくが実現できる製品だと思います。

今回は電気圧力鍋のデメリットだけに焦点をあてましたが、もちろん魅力的なメリットも沢山あります。電気圧力鍋を買うか迷っている方にとっての総合的に判断する材料となれれば幸いです。